飴玉と炭酸の瓶詰め

短編を中心にときどき長編

魔法使いの短編

本に書かれた???の物語

外の音で目が覚める。カーテンを開けて窓の外を確認する。 今日も雨。 雨粒が屋根を打つ音。風が雨粒を壁に叩きつける音。屋根や壁から滴った雨粒が窓際に落ちる音。全部いつもの音。 布団から出て着替える。玄関で靴を履いてコートを着て傘を持って外出をす…

記憶の忘却

過去は必要ない 嫌だ…ッ 記憶は邪魔なだけだ もう忘れたくないんだッ!! ××× これは突然起こった物語。 物語はそこに住む魔術師のライブと迷い込んだ人間のユズしか知らないことだ。 今となってはもう誰として知る者はいないだろう。 ××× ある日、いつものよ…

罪人にしか読めない罪の本

日が昇ると明るくなり、沈むと暗くなる それだけがわかるような空間に、影が一つ 本棚という本棚には無数の書物が詰められ、入りきらない本は床に散乱してる 本に囲まれた影は小さく、横になっていた 規則正しく上下する身体はどうやら寝ているようだった 真…